My Adventure その2

さて、ヨーロッパ1人旅から帰った私は23歳になっていました。大冒険のあと、
格別することもなかったので、結婚しました。そして、善良な(?)市民生活を
30年あまり送りました。2人の子供にも恵まれ、それなりに充実した結婚生活
でした。相方と私の両方の両親(4人)を見送り、息子たちが社会人になると、
私は自分の老後を考えるようになりました。もう1度人生にチャレンジしたいと、
思うようになりました。→ 続きは、『起承転々』を読んでね。


   第2回目の冒険  

@ ニュージーランド(NZ)のポリテクにシニア留学

ポリテクとはポリテクニックの略語で、国立職業専門学校のことです。NZの
ポリテクでは、ビジネス、コンピューター、語学、エンジニアリング、電気技術、
テレビ、社会科学、保健看護、動物のケア、音楽、美術、園芸、ブドウ栽培、
レストラン業、料理、美容、ホスピタリティ、カウンセリング、建築土木、ツーリズム、
アウトドア、レクリエーション 、それから 漁業に関することまで、ありとあらゆる
分野の専門的知識を学ぶことができる。パートタイムでも、フルタイムでも学ぶ
ことができます。年齢に制限はありません。

2002年春、私は最初10週間の英語集中コースをとりました。その後、ツーリズム
コースに進みました。ツーリズムコースには、NZの若者はじめ、世界中から
学生が集まって来ていました。勉強の中身は、ツアーに関する基本的知識、
アウトドア体験、NZの地理および気候に関する基礎知識。マネキンを使っての
実際的な救命活動、セクハラを含む人権問題の対処の仕方、レストランでの
接客訓練、テーブルセッテング、カプチーノの作り方、ワイン選び、食中毒予防
など、結構内容は充実していました。私のコースは、最もベーシックなものでし
たが、実習、レポート提出と、結構忙しかったです。コース終了認定されると、
国家資格のレベル2がもらえました。

この国は国家資格が積み立て方式になっています。NZ国内のどこの学校で
学ぼうとも、国の定めた履修内容を満たせば、レベル1から、レベル8まで、
順次、国家資格のCertificate ⇒Diploma ⇒Degreeがもらえます。有り難いこ
とに、途中でやめたりしてブランクがあっても、再び学校に戻れば、以前学んだ
レベルからスタートできます。そして学んだ分が確実に上積みされていくシス
テムになっています。仮に私が、もう1度ポリテクに戻って、ツーリズムの上級
コースに進めば、私の国家資格がレベル4か、レベル5に、レベルアップされ
るわけです。とっても、わかりやすくて、就職に有利なシステムだと思います。

A 初めてのツアー・リーダー

ポリテクのツーリズムコースを終了した私は、大胆にも、ツアーリーダーになろ
うと考えました。しかも、シニア対象の。私はそれまで、ガイドなんてやったこと
はありません。ポリテクで、ごく基本的なことを教わっただけです。しかし、トレッ
キング、ラフテング、カヤッキングなど、授業で、アウトドアスポーツをやらせて
もらったお蔭で、私の好奇心が ムクムクと頭をもたげてきたのです。
「チャレンジしてみよう」私は決断すると、早いです。ついに、2003年春、第1回
目のニュージーランド・シニア・ツアーを実行しました。定員は私を入れて10名。
この人数は私の目が届く範囲でもあるし、ミニバスを1台チャーターするのに、
ちょうどよい数なのです。現地で運転手を1人借り上げ、ゆっくり滞在型のツアー
をプログラムしました。とても好評でした。もちろん、いくつか失敗もありましたが・・・。

2003年秋に2回目ツアー(南島)、2004年秋に3回目(北島)、2005年春4回目
(南島)。ズブの素人だった私でも、だんだん手配や段取りがうまくなっていき
ました。これは、すべてインターネットのおかげです。専門家に頼らなくても、
今や、個人がどんどん、世界中の最先端の情報を取り出すことができるように
なりました。自宅にいながらにして、海外ホテルの問い合わせから、航空券の
Booking まで、瞬時にできるようになりました。これは、すごいことです。
私のような「おばん」でも、今の社会の時流に乗れるなんて、エキサイテング
なことです。

B 外国人と交わる

英語さえ話せれば・・・と思うかもしれませんが、外国人と交わる時に、一番
必要なのは、「ピープル・スキル(「People Skill)」だと思います。「ピープル・
スキル」とは、人と、うまくやっていく能力のことです。ジェスチャーでも、筆談
でもいいんです。一番簡単なのは、スマイルかもしれません。これに、もう1つ、
人間的「タフさ」があれば、世界中どこへ行っても、あなたは生きていけると思う。

私はこんな体験しました。昨年3月に、ニュージーランドで、自然冒険型の10 days
サファリー・ツアーに参加したのです。 もちろん、インターネットで申し込みました。
リュックと寝袋もって、自然を探検する10日間のツアーです。携帯電話はもちろん、
テレビも、ラジオも電気もない山奥に入って、山小屋に泊まり、川を渡り、洞窟を
探検し、海上をカヤッキングする旅をしました。山小屋泊まりは、まだ、ましな
方で、ある時は突き出た岩の下、ある時は、海岸のテントで寝るという野生的
な旅でした。食事は交代で作りました。日が昇ったら起き、日が沈んだら寝る
という生活でした。

パーティの内訳は、イギリス人女性18歳、カナダ人男性52歳、アイルランド人
女性36歳、ニュージーランド人女性26歳、そして日本人2人(私と相方)の計6人
です。10日間寝食を共にしました。24時間の英会話つきトレッキングだと思って
下さい。下手でも何でも、英語しゃべらなくては、間がもてません。孤立してし
まいます。でも人間、必要に迫られると、自然に単語が出てくるものです。間違
っても全然平気、相手の話も「ゲスguess推測」して、聞くようになります。英語
の先生が言ってました。ゲス(推測する)のも、実は英語の能力の1つであると。

私にとって、最もきつかったのは、英語ではなく、長時間歩く肉体的なつらさでした。
クルマ社会で、すっかり私の足の筋肉が落ちてしまっていたのです。もう一つは、
サンドフラィとの戦いでした。ニュージーランドの南西部には、世界遺産に指定
されているフィヨルド「ミルフォード・サウンド」というのがあります。そこは入り江
です。3日に2日は雨が降ると言われている温帯雨林です。絵はがきには、
ニュージーランド一番美しい場所としか書いてありませんが、そこは、実は、
サンドフラィのメッカなのです。日本の蚊よりも小さい虫「サンドフラィ」が、いっ
ぱい棲息しています。そのサンドフラィが、人間に群がってくるのです。それに
喰われると、ものすごくかゆい。私達のパーティの最年少は、イギリス人女の子
エンマ18歳でした。将来オペラ歌手になりたいという彼女は、半袖、半ズボンでした
から、サンドフラィの格好の餌食でした。あちこちサンドフラィにくわれて、「痒い、
痒い」を連発していました。それでも、長い道のりを重いリュック背負って、歌を
歌いながら、歩いていました。朝の寝起きの悪いことを除けば、よく食べ、よく笑う
自分の意見をはっきりと言う、とてもたくましい女の子でした。彼女のタフさ、たく
ましさが、「日本の若者にも、あればなぁー。」と、つい思ってしまいました。

それと、歩くこと、特に長時間 歩くという行為は、肉体的にはつらいです、ですが、
精神的には、非常にいいと私は思います。黙々と歩きながら、いろいろと頭の
中で考えることができます。自分自身の「来し方」、あるいは「行く末」のこと、
またこの世の中のこと。これは、哲学するということに通じると思います。
「 いったい自分は何者なのか?」と、考えながら歩くのは、私にとって、つらい
ながらも、楽しい作業でした。

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