『起承転々』の人生を歩もうよ
                                      

2002年 春
以前、次のような記事を目にしたことがある。

「人生50年と言われた昔は、子育てが終わると、うまい具合に寿命も尽きた。
ところが、平均寿命が延びた今は、子育て後も、気の遠くなるような長い老後が待っている。だから昔のように『起承転結』的な人生を歩もうと思ってはいけない。転んでも、挫折しても、『起承転々』で、前向きに生きていこう。」というようなものであった。この記事は、私の心に深く残った。
 
私の人生を振り返って見る。結婚して33年。小学中学高校大学と、2人の男子に学費がかかる間は、夫婦は心を1つにして、働いて来た。それなりに充実した歳月だった。今春めでたく次男が、大学卒業と相成った。(もう学費を払わなくてもいい!) この教育費からの解放感は、私に新しい人生への挑戦をかき立てた。

私の母は74歳、父は80歳で亡くなった。私は現在56歳。もし母親の歳まで生かさせてもらえるとしたら、幕引きまで、まだ少し間がある。目の老化を除けば、今のところ、体は順調だ。

「チャンスは今だ。」そういうわけで、シニア留学を思い立った。自分自身の生命保険を解約したら、少しまとまったお金が出来た。パートナーには悪いけれど、これからの人生を、もう一回チャレンジしたいという思いは、もうどうしようもない。

今や、海外留学は、若者たちの間で、ブームである。だが、私は、中高年にも、違った形で海外生活を楽しむ権利があると考える。思い立ったら、即、実行の私。南半球は、ニュージーランド。この国は、噂にたがわず美しい。しかもシニアにやさしい。

「この国に、友だちを連れて来たーい!美しい自然を見せてあげたーい!」思いが高じて、ついに、ポリテクのツーリズム・コースまで進んだ。

シニアたちよ、思い切って旅に出よう!地球の裏側を見てみよう!「人生やり残した。」という思いを残さないように、子育て後の人生を過ごそうよ。
完結的な人生を目指すのは、よそう。みっともなくてもいい、ぶざまでもいい。最後まで転がりつづける『起承転々』的な、Excitingな人生を歩もうよ。
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