<第7話> Copland tracks(その1) 
=Westland Nat. Welcome Flat Hut(3月15日小雨)
朝6時に起床。8時にホステルを車で出発した。いよいよコップランド・バレーのトレッキングの日がやって来た。3回目にして一番距離の長いコースである。車は途中でFoxグレイシャー(氷河)のDOCに立ち寄った。ガイドのルースが、山岳の情報収集をするためだ。ここで天気の予報とコースの状況が詳しく手に入る。
車から出ると小雨交じりの曇天で肌寒い。DOCに駆け込む。ここの室内はいつ見ても楽しい。写真や土産物が沢山陳列されているからだ。温帯雨林の沼地のポスターを一枚記念にと買った。
10時30分頃 登山口を出発する。気持ちのいいHot pool(温泉)があるからと・・半ば騙されて、いつの間にやら(私たち2人は)参加するはめになってしまった。ザックが重〜い。目的地(宿泊)ウェルカム・ハット小屋で2泊する。運ぶ食料品の重さがずしりとくる。運がいいのか悪いのか、夕食当番(1日目)は、私達2人の当番だ。トキが気を利かせて(日本から)カレーのルーを持って来ていたのでカレーライスを作ることにした。従って、タマネギ、ニンジン、じゃがいも、りんご、豚肉、お米(たっぷり6人分)の食材を、2人で分けてザックに(無謀にも)押し込む事になったのだ!・・・ミレー(Millet)社製の50リットルザックはパンパンになった。2泊3日ともなれば着替えも、ばかにならない。

吊り橋を幾つも渡る;2本の太いワイヤーロープにV字型にワイヤーが張ってある。日本ではあまりこのタイプの橋は見掛けたことがない。ワイヤーの上下の揺れに体を同調させて足を運ぶと上手く歩けた。初めは飛び出しそうで恐かったが・・・。


2時頃に遅い昼食;今日のルートは川(岸)伝いに遡行するのだが、必ずしも、はっきりとした登山道が有るわけでは無かった。だから皆はルースの指示に従って進んだ。時には崖(川岸の)をよじ登ったり、下ったりした。更に崩落した崖の中腹もトラバースさせられたりもした。その際には必ず檄が飛んだ・・・「足を止めないで!止まったら落石が当たって、死ぬよ〜!」だって。
肩に重いザックが食い込んで、呼吸するのも辛い。川の遡行がこんなにも過酷とは・・・本当に思いもよらなかったよ。もう疲れてへとへとだ。ギブアップ寸前の時に・・・ルースが「ここで昼食にします」・・・グッドタイミングでした。川の水は、うす青色だった(信じられない位に美しい色だ。ある鉱物を含んでいるので、こんな美しい色になるという。)

(河原に)岩がいい具合に出っ張っていて、小雨を凌げる場所を見つけた。早速、カップに豆乳とシリアル入れて混ぜ合わせる。それをパンと一緒に頂く。ロケーションはバツグンなれど、サンドフライが、体にまとわりつく。河原は湿気が多い。コヤツは湿気が大好きだから、群棲している。(私は)カップ片手に動き回りながら、何とか口に流し込んだが・・・食欲は全然無しの状態だ・・・果たして、この調子で、全行程歩き通せるのか?


川の渡渉と川岸のUp Downの繰り返し;じゃぶじゃぶと、それこそ幾度ともなく川渡りを強いられたので、流石のゴアテックスのブーツも濡れて、ぐしょぐしょになった。足が冷たいのは我慢できたが、ブーツ内に溜まった水には悩まされた。それでも一時疲れを忘れてしまう瞬間があった。原生林のトラックを歩いた時だ・・・このルートは、時々立派な小径に乗っかるのだ。それはまさに、ロード・オブ・ザ・リングの1シーンを主人公達と歩いている様な感じがしたものだ。

夜の7時頃にWelcome Flat Hut に着く;何度、このやけに重いザックを放り出したいと思ったことか・・・。私の足は、それこそ、もう棒の状態だった。足が前に出ているのが不思議に思えたくらいだった。トキの足は更に深刻だったので、(ルースの指示で)彼女の荷を少しばかり、途中で私のザックに詰め替えた。自分達の荷物は、どんなに辛かろうが自分たちで運ぶ・・・誰〜も肩代わりしない。これが原則だった。
やがて道がやや平坦になって温帯雨林帯を抜けた。ぱっと視界が開けた。目指すハット(山小屋)が見えてきた。

コップランド・トラック(その1)終わり

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第7話その2へ続く