ムーチェセンへ向かう
フローラサドルで、ほっとする間もなくミニバスに乗り込む。「ムーチェセン」
という地名はスコットランドの湖の名前から来ているらしい。この町は、
カヤック、ラフティングなどアウトドア・スポーツのメッカである。若者達が
大勢、街中にたむろしている。とても活気がある。しかしこの町に着いた頃
から、雨がザーザー降りになってきた。近くの喫茶店に駆け込む。空いていた
ボックスに5人が座り、それぞれ飲み物を注文する。なにか文明社会に、随分
久し振りに戻ったという感じがする。
若者に混じって大冒険に挑み、どうにかついて行けたという「満足感と誇り」
のような感動が体全体に溢れてくる。知らず知らずのうちに、NZの国に溶け
込んで、雰囲気を楽しんでいる自分を発見し、可笑しくもある。口の方も、
だんだん滑らかになってきた。カフェオーレをのみながら、ダベる、ダベる。
私の英語が相手に、通じようが、通じまいが、ノープロブレム! フレッド
のジョークも、ますます快調、ジョアンもエマも元気だ。
Owen river(オウエン川)での、キャンプは中止
Hippies place(ヒッピープレイス)泊
予定していたオウエン川サイドでのキャンプは、土砂降りの雨のため中止。
急遽、川のほとりの1軒家で泊まることになった。ルースは、電話で一軒家
を手配した。やれやれ、我々は、まな板の上の鯉である。旅は全く、ガイド嬢
のルース任せ。我々は、大まかなアウトラインを知っているだけで、日々の
具体的な旅程表なるものを持たない。まるで、アバウト。DOCで買った地形
図も、25,000分の1に慣れた自分には、今ひとつ解かりずらい、どこをどう
歩いているのか。「えーい!ここまで来てジタバタしても始まらない。郷に
入れば郷に従えだ」と、腹を決める。
リバーサイドの小屋は平屋建ての一軒屋で、町外れの木立の中にあり、小屋
の前は、草ぼうぼうの芝地だ。時代がかった、いわくありげなオンボロ小屋だ。
キッチン兼台所と寝室(4人収容できる)があるのみ。まぁ、雨風しのげる
だけでも、よしとしよう。
ここに、Open Airのシャワー設備があると、ルースは言った。。何のことは
ない「浜茶屋」みたいなシャワー室が小屋の裏にあるだけ。屋根はあるが、
仕切りがないので、外から丸見え。でも2日振りのホットシャワーがうれしい。
満足、満足。
Open Air のトイレットの方は、今度は屋根はあるが、ドアが無い。使用する
時は、周囲に響き渡るように、「誰々、Toilet!」と大声でShout(叫ぶ)の
がルールだ。そうすれば、誰も近寄って来ない。これは、小屋から3m位
離れた所にある。一応様式トイレ。釘にトイレットロール1巻きがひっかけ
てある。風と雨しずくを肌に感じながら、お尻に全神経を集中する。
自然の中で、ひとり営む行為。人間どこでも、寝れて、どこでもウンチでき
たら、もう怖いものなし。変な自信がつく。
今夜のメイン dishは、出来たての熱々ピザ・パイ(ヒッピーからの仕出し)を
取る。これは、臨時出費。各自割り当て分支払う。なんで、こんな所にヒッピー
の家族がいるの?仕出し料理やってるなんて・・・?けど、なかなかの味だった。
あと、デザートは、ルースが作った果物たっぷりのchocolate fondue(チョコ
フォンデユー)鍋に各自フォークをつっ込んで、食べた。チョコの甘さと
果物の甘さがMixした不思議な食べ物。コーヒーはセルフサービス。皿洗いと
台所かたずけは、全員で手分けしてやった。
寝室は、蚊帳つきの二段シングルベッドの横に、ダブルベッドが1つ。4人
はここで寝て、あと1人は、外のデッキにあるソファー。ルースは、1人用
テント張って外で寝ると言う。彼女は、1年のうち、半年は外で寝ているそうな。
ルースは、我々に、ベッドの上で、寝袋に入って寝るようにと指示する。持参
の寝具を使うという条件で、宿泊料を値切ったらしい。
我々は、ダブルベッドで、ジョアンとエマは2段ベッド。哀れフレッドは
外のデッキのソファーで寝ることに。夜半、雨が吹き込んでかなり濡れたようだ。
川に近いせいもあって、サンドフライを警戒したが、サンドフライは暗くなる
と出なくなる。代わりに、蚊が出没する。我々は蚊帳の中で、雨音を聞きながら
めでたく屋根の下で、ぐっすりと眠ることができた。(小屋代も後日集金)。
翌朝、想像だにしない事件が我が身に降りかかる。
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オンボロ小屋の前で、 雨のため、視界悪し |
| 天井からつりさがっている白い蚊帳 | ![]() |
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フレッドは、このソファーで寝ていた。 |